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ご主人様の誕生日のプレゼントはキラキラ光る宝石が銀色に輝く、細い王冠みたいな可愛い形の髪留めでした。

「白いドレスに王冠。今夜はね。知世は『奴隷』じゃなくて『お姫様』だからね。」

それが御主人様からのとても素敵な、そして、本当はとても…とっても意地悪な、誕生日のプレゼントでした。

□■□

「さあ、お姫様…こちらが今夜のお部屋でございます。いかがですか?知世姫様…」

ホテルの大きなお部屋。
入り口の脇の大きな鏡に映るドレスに王冠の知世。ご主人様に、横に抱いてもらって…お姫様抱っこ…そう、本当にお姫様にしていただいています。
小さな…子供の知世のお姫様が、背の高い、素敵なスーツのご主人様に抱っこして頂いています。

「すてき…ご主人様…知世、本当にお姫様になっちゃいました。」
「知世姫…私めを『ご主人様』などと呼んで頂いては困ります。お誕生日の今日は『奴隷』でも『下僕』でもお好きなように…」
「えっ、えっ、えっ…ごしゅじんさま…ご主人様をそんな風に呼んだりできませんっ!えっと…えっと…それじゃ、お姫様だから『王子様』でいいですか?」
「おおせのままに…知世姫様…それではこの王子に何でもご命令を仰せ付け下さいませ。今日は、いつもとは逆。知世姫様のご命令を、私め、何でも実行させて頂きます。」

いつも、知世にえっちで意地悪な命令をしているご主人様は、逆転して知世の命令を聞いて下さるみたいです。誕生日の今日プレゼントに、知世のために王子様になってくださいました。


ふかふかの大きなベッドに寝かされたお姫様の知世は王子様の腕枕で抱っこしてもらっています。

「…めいれい…ごしゅじんさま…じゃなくて…ええっと、おうじさま…それじゃ、知世にキスしてくださいっ!いっぱい…ともよの…えっと…か…身体中にっ!」

思い切って言っちゃいました。生まれて初めて、知世から王子様にする『命令』です。
本当は奴隷の知世から大切なご主人様に命令するなんて…そんないけないこと、恥ずかしいこと、絶対にダメなのに、誕生日プレゼント?…なんだかとってもドキドキしちゃいます。

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