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サオリの家。サオリのいない、ツクモヒサギの家。
ナナコはドキドキしながら、チャイムを押しました。
「はーい、はいはい」
作家のツクモヒサギ先生…どんなすごい人かと緊張していたのですが、現れたのは、普通の…サオリが言うとおり優しそうな男性…お父さんでした。
「…ああ、そうかぁ、ナナコちゃん、サオリがよく話をしてるよ。うーん。入れ違いになっちゃったんだ。サオリ、今日は、まだ、しばらく部活なんだよ。妹のエリもいないしなぁ。」
ヒサギさんは自分の手で紅茶を出してくれながら言います。
小学5年生の妹のエリちゃんは、ナナコとサオリの3人で買い物に行ったこともある仲良しです。
けれど、ナナコは、今日エリちゃんがお友達の誕生会でいないこともサオリから聞いて知っていました。
「…そうですか。今日、この近くに別の用事があって…そのあとで、来てみただけなんです。サオリさんの家がこちらだって聞いてたので、ちょっと驚かそうと思って。」
ナナコは考えていた嘘を、がんばって言いながら、本を取り出します。
「あの…サオリ…サオリさんいないけれど、本の話とか、してもいいですか?わたし、ツクモヒサギさんの本、小学校の頃から大好きで、サオリさんとお友達になってからお父さんだって聞いて、とってもビックリしたんです。」
「え?…小学生の頃から読んでたの!?…そうかぁ…ナナコちゃん、すごいひとだったんだね。」
ヒサギさんは驚いた表情でつづけます。
「うーん…本の話って、あまりしないんだけど、…うん。いいよ。逆に話をきかせて…」
ふたりは話を始めました。
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