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ナナコの親友、ツクモサオリのお父さん、ツクモヒサギは小説家さんです。

大人向けの小説ですが、ナナコは、本を読むのが大好きでサオリと会う前、小学校の高学年の頃からツクモヒサギの小説を読んでいました。少し難しいけれど、とても不思議で面白くて大好きな小説でした。

中学に入って、ナナコはサオリとすぐに仲良しになりました。親友…って言えるくらい大好きな友達に。

学校で別の友だちが親の仕事の話をしているときに、サオリは、ニコニコと笑いながら話してくれました。

『うちはみんなと逆で、ママが仕事に出かけて、パパがおうちでお仕事してるの。だいたいうちにいるかな、やさしくてすてきなパパだよ…』
『優しいパパか、いいなぁ…おうちでお仕事って?』
『…うん、小説書きしてるから。…あのね、ヒサギ…ツクモヒサギっていうんだけど、知らないよね。何冊も出てるけど、あたし、まだ、ほとんど読んでないよぉ。あはは。』


偶然!…っていうのはあるんです。

お友達のサオリのパパが、前からずっと読んでいた、大好きな作家のツクモヒサギだった、と知った時は、とても驚きました。
けれどサオリにとっては、優しいパパというだけのようです。
サオリはよくナナコにお父さんの話をしてくれます。

ナナコにはお父さんがいません。
サオリには、ちゃんと話をしていませんが、ナナコが幼い頃に亡くなってしまっています。サオリの『優しいパパ』の話はとても素敵に聞こえてきてしまいます。

大好きな作家のツクモヒサギ。
サオリの優しいパパ…素敵なお父さん。

自分でも変だな…と思いながら、ナナコはどうしてもサオリに内緒で、ツクモヒサギに会ってみたくなってしまいました。


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