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「ほら、入ろ。」
「は、はい。」

ひんやりと冷たい感触がするかと思いながら踏み入れた白いタイル張りの浴室は、予想とは違い湯船に張った入浴剤の香りの湯気で温まっていました。
薔薇の香りがバスルームいっぱいに広がっています。

「先生の匂いだ…。」

薔薇の香りの好きな優美は、香水だけでなく日常のいろいろなものに薔薇の香りのするものを使っていました。
優美はシャワーを出すと、手のひらにお湯を当てちょうどいい温かさに調節しました。

「おいで。洗ったげる。」

おずおずと前に進み出た康太をイスに座らせ、お湯を肩からかけました。

「気持ちい?」

真白な柔らかな手で康太の肌を撫でながら、全身にまんべんなく湯をかけます。

「ん…。」

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