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「ねぇ、先生、康太君のことどう思う?」
「康太君って、東山君のこと?」
2学期になり、学級委員が決定して数日後、副級長の上野香澄が優美に聞いてきました。
「うん。そう。ね、先生どう思う?」
「う〜ん、そうねぇ…しっかりしてるのかと思ったらそうでもない感じで、級長としてはちょっと心配な感じかしら。
あ、でも上野さんがいるから大丈夫ね。」
「えへへ。ありがと、先生。
でもそんなことないんだよ。
康太君普段クールであまり顔にでないけど、すごく優しいところあるんだ。
こないだ雨降ったときね、」
「うん。」
「香澄の家の近くの道端に
捨てられた子犬に『大丈夫か?』って声をかけながら傘を刺してあげてたの。」
「へ〜。」
「困ったような愛おしいような顔をしながら抱きかかえて、しばらく―1時間くらいかなぁ。
子犬の傍に居て。
どうしたの?って声をかけに2階の部屋から出て行ったら、
家がマンションで犬を飼うことができなくて困ってるんだ。って。」
「そうなんだ。」

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