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[花火大会]
「知世ちゃぁん!」
声にふりむくと、浴衣の女の子、ちえりちゃんが、にこにこと手をふっていました。
人が大勢いる駅前。少し早い時間ですが、もう、浴衣の人は何人もいます。
今日は駅から少し歩いた河原で花火大会が開かれる日です。
「よかったぁ!今日、ひとが大勢だから、見つけられないかと思っちゃったよぉ」
白地に桜色の花の模様の浴衣。元気なちえりちゃんによく似合っています。
「知世も…やっぱりみんな花火大好きなんだね。」
「そうだよぉ。花火の場所はもっと人がいっぱいだって。」
「うん。迷わないようにしなくちゃ。ね、ちえりちゃん、浴衣かわいい。」
「そうでしょ!おにいちゃんが選んでくれたんだから!知世ちゃんも、すてき…濃い赤色に白いお花…大人っぽい…」
「知世だって…」
ちえりちゃんの近くで小さな声で続けます。
「…知世だって、御主人様に買ってもらったんだもん。」
ちえりちゃんが、少し頬を赤くしていたずらっぽい顔で知世を見て言います。
「…うん…あの…知世ちゃん、えっと…めいれい…きいてきた?」
「…うん、駅ビルのトイレで…って。きっと、御主人様と、ちえりちゃんのおにいちゃん、どこかに隠れて私たちを見てるよ。」
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