出会い-無料BBS
[MAIL]
[top] [目次]
[前] [hg135hh01] [次]

[放送部のヒルヤスミ]


『みなさんいかがお過ごしでしょうか?放送部のカエデです。テストも近いこの時期いろいろと大変ですよね、昼休みはこの放送でリラックスしてお過ごしください。 今日は、いつものミキに加えて新人のユカナのふたりがお送りします。ミワコウ・ヒルヤスミ!』

カエデ部長の声にオープニングテーマが重なります。
放送部に入部してやっと…初めての『ヒルヤスミ』の放送に参加できました。

私立水和高校は生徒の自主性を重視する学校です。学校の放送も、20人ほどいる放送部員にまかせられています。学校での放送は朝、昼休み、放課後、連絡や事務的な放送まで、ほとんどが放送部からの放送です。

そのなかで、お昼休みのこの時間。『ミワコウ・ヒルヤスミ』という、なんだかそのまんまつけた名前の、ラジオDJのような番組が校内では一番の人気です。 放送部を創部したカエデ部長が選んだ5名ほどのスタッフとDJが放送をします。放送部ではこの番組『ヒルヤスミ』に参加することがひとつの目標です。

今日、ユカナは初めて『ヒルヤスミ』の放送室に来る事ができました。

『はーい、ミキです。ユカナはちゃんとテストの準備してる?』
『あと一週間ですからねぇ。いっぱいしてますよぉ。…って、みなさん初めまして。ユカナです。ミキさんは勉強どうなんですか?』
『そりゃぁ、あと一週間ですもの…ぅわあああぁなんにもやってないよぉぉ』
『はい、そんなわけで、カズサさんからのリクエストで今日の一曲目、壮年アメリカンサックスの『テディベアは薬なんてやってねえ!』どうぞ!』

初めての『ヒルヤスミ』DJデビューでドキドキしていたユカナでしたが、ミキ先輩の軽いおしゃべりでうまく進める事が出来ました。

リュウジ先輩の操作で曲が全校に流れ始めます。

機材担当のリュウジ先輩は、背の高い、あまり話をしない人なので放送部のなかではこわがるひとも多いのですが、困ったことがあると黙って手伝ってくれる先輩です。
優しいお兄さん…一人っ子のユカナは、勝手にそんな風に思っています。少しだけ…好きになっちゃうかもしれない先輩です。


[前] [hg135hh01] [次]
[top] [目次]
[MAIL]