[hg129hj01]

[廃校の授業]

暑い夏の教室。窓には日よけのカーテンが広げられています。明るいカーテンの隙間を通って強い光が床に線を引きます。

ナツミはいつも座っていた席で、先生の授業を受けています。

「ミズハラ…ナツミが転校したのも、夏だったよな。ちょうど、二年前か…」

先生は黒板の前の教壇に立ち、言葉を続けます。

「…6年生の夏に転校なんて、大変だったろう？」
「…はい…でも、転校っていつでも大変ですよ。」

教室は、昔と同じように机が並んでいますが、生徒はナツミのほかに、誰もいません。

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