[hg116ak3

「新刊の完売を祝して…」

「かんぱーい！」

ジュースとビールの入った4つのグラスがテーブルの上で合わさります。

「ミユキさんち広いですー。お部屋新しいし、…32階なんて、こんなに高い所でお泊りするの初めてですっ。すごい！すごぉい！」

ユウが部屋を見渡して言います。
同人誌即売会の打ち上げで招かれたミユキさんの部屋は、都内の川沿いに建つ高層マンションでした。ミユキさん、サキちゃん、ユウ、僕の4人で料理が載ったテーブルを囲んでいます。

「そんな…お父様が不動産関係のお仕事をしてるから、使わせていただいているだけなんですよ。私が買ったわけではなくて…」
「ミユキお姉さま、誰も、学生のお姉さまが買ったなんて思ってませんよ」
「えっと、あ、そうですね。」

[前] [hg116ak3_01] [次]
[top] [目次]
[MAIL]